「投資信託」ってやつで長期投資すればいいのは分かったけど、やっぱり損はしたくないなー。
実は、株式のリスクを最大限抑える方法っていうのがあるんだ。まだ若いりんにぴったりなやり方だよ。
みょーん!
そんな方法あるのね!楽しみ、分かり易く解説してね。
- 株式投資のリスクを抑える方法
- 長期投資でリターンを得る方法
- どの国・地域に投資すればいいか
期待リターンをプラスにする方法
株式は、常に右肩上がりで一直線に上がっていくのではなく、上がったり下がったりを繰り返していきます。そしてリーマンショックやコロナショックなど、時に一気に株価が下がる暴落を伴う場合もあります。
そんな株式に対し、どのように考え付き合っていったらいいのでしょうか?
その答えの一つが「長期間投資を続ける」ということになります。
以下の図はアメリカの金融会社JPモルガン・アセット・マネジメントのレポートの一部です。
1985年2023年までのパフォーマンスから投資期間別のトータルリターンを表しています。先進国株式に着目し、このレポートからわかる事は以下となります。
- 1年間でのトータルリターンはプラスになる場合もあれば、マイナスになる場合もある(リスク高い)
- 長期運用するにつれて、マイナスリターンが減ってくる
- 20年間運用することで、期待値がプラスのみになる
出典:J.P.Morgan ASSET MANAGEMENT Guide to the Markets 2023
過去の結果を元にしたレポートなので、将来必ずこうなるというわけではありませんが、およそ40年間の平均なので、将来的にバブルや暴落があるにせよこの数字に収束していくと考えられます。
今までの実績を参考にすれば、20年間長期投資すれば、マイナスを防げるってことね!
複利の力とは
株式には保有していると分配金をもらえるものがあります。この分配金を受け取ったときに、分配金を再投資するか、ボーナスとして使ってしまうかで後の資産増加に大きな違いが出てきます。「単利」と「複利」の違い、具体的にどれくらいの差がでるのか説明していきます。
単利と複利
単利とは元本に対して、一定期間ごとに利益を受け取り、元本は変更しない計算方法です。一方複利とは、一定期間ごとに利益を受け取り、受け取った利益を元本に加えていく計算方法です。
例えば100万円の株式(元本)を買って利回りが5%(年間5万円の配当金をもらえる)とします。単利の場合は1年目、2年目、3年目とそれぞれ5万円受け取り3年間の合計が15万円となります。一方複利だと1年目の利益は単利と同じ5万円ですが、利益を元本にプラスしていくことによって、2年目は52,500円((100万円+5万円)×5%)、3年目は55,125円((100万円+5万円+52500円)×5%)となり、3年間の単利と複利の合計金額の差は7,625円となります。
年数 | 元本(円) | 利益(円) | 累計利益(円) |
---|---|---|---|
1 | 1,000,000 | 50,000 | 50,000 |
2 | 1,000,000 | 50,000 | 100,000 |
3 | 1,000,000 | 50,000 | 150,000 |
年数 | 元本 | 利益 | 累計利益 |
---|---|---|---|
1 | 1,000,000 | 50,000 | 50,000 |
2 | 1,050,000 | 52,500 | 102,500 |
3 | 1,102,500 | 55,125 | 157,625 |
更に20年間運用していくと、653,298円の差が生まれます。
実際のリターンはどれくらい?
単利と複利の運用差として年利5%で場合を例にしましたが、実際に株式投資した場合のリターンはどれくらいが見込めるのでしょうか?
投資対象の国と地域
株式投資は企業毎の個別株を買うこともできますが、国や地域の株式をまとめて購入するようなことができます。国や地域の株価の値動きを表す指数をインデックスといい、インデックスに連動する商品に投資することをインデックス投資と言います。
代表的なインデックスには以下があります。
国・地域 | インデックス名 | 説明 |
---|---|---|
日本 | 日経平均株価(日経225) | 東京証券取引市場一部上場銘柄のうち225銘柄 |
日本 | TOPIX(東証株価指数) | 東京証券取引市場一部上場全銘柄(約1800) |
アメリカ | S&P500指数 | 米国企業を代表する大型500社 |
アメリカ | ダウ・ジョーンズ工業株平均 | アメリカ企業主要30社 |
アメリカ | NASDAQ100 | NASDAQ市場に上場している大型株式100社(金融セクター除く)。 テクノロジー銘柄中心 |
全世界 | MSCI(オール・カントリー・ワールド・インデックス) | 全世界株式(先進国、新興国、フロンティア国) |
へー、いろんな種類があるんだね。
ちなみにS&Pってなんの略なの?
アメリカのStandard & Poor’s Financial Services LLC(スタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズ)って会社が算出・管理している指数だからS&Pっていう名前がついているんだよ。
国別・地域別の期待リターン
次の図は国別、地域別のリターンとリスクをまとめたものです。2006年11月1日~2021年10月29日のデータを元にした結果となります。おおよそ国内株式=日本はローリスク・ローリターン、全世界はミドルリスク・ミドルリターン、アメリカはハイリスク・ハイリターンとなっています。
出典:楽天証券
2023年6月時点のリターン成績(6か月、1年、3年、5年)は以下の通りとなります。
匡・地域 | 6か月 | 1年 | 3年 | 5年 |
---|---|---|---|---|
全世界 | 48.63 | 22.18 | 21.94 | |
アメリカ | 55.00 | 23.95 | 25.45 | |
先進国 | 51.60 | 23.91 | 23.92 | |
新興国 | 28.65 | 9.35 | 12.31 | |
日本 | 59.66 | 26.30 | 15.32 | 9.81 |
どの国・地域に投資すべきか
2023年6月現在、全世界またはS&P500への投資が主流になっています。2010年代はアメリカ株式が絶好調だったので、私が投資を始めた2021年時点では書店でもインターネットサイトでも米国株への投資に関する情報が多かったと記憶しています。
2022年は米国のインフレ抑制として金利を上げる施策がとられたため、米国株は軟調になり、「米国株はオワコンこれからは新興国株の時代!」などの記事が見られるようになりました。でも、2023年蓋を開けてみるとAIブームに伴い米国株が好調という結果になっています。
過去の国・地域別の成績
下は年代別のリターン成績を表したものです。2010年代は米国が好調でしたが、過去みてみると同じ国や地域が好調を保つことはできなかったことが分かります。
出典:楽天証券
これからの経済成長予想
下記は主要国・地域のGDP規模の推移と予想です。2025年には新興国(アジア)が米国のGDPを上回ると予想されています。
出典:楽天証券
これから経済がどうなっていくか正確に予想するのは不可能です。AppleやMicrosoftなどイノベーションの中心となる企業がある米国はこれからも世界の中心になっていくと思われます。
リスクはあるものの高リターンを期待するのであればS&P500、リスクを抑え安定を求めるのであれば全世界を選択すればいいと思います。
どちらかを選択するべきかというと、初心者向けとしては全世界株が無難だと思います。全世界株の60%はアメリカ株なので、アメリカ経済が好調を維持しても恩恵を受ける事ができます。
わたしはやっぱり損するのはいやだから「全世界株式」がいいかな
僕はリターンが大きいほうがいいな。「S&P500」のほうが僕にはあってるね!
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